歯周病と心疾患


歯周病は様々な全身の病気の危険を招きます

 今アメリカでセンセーションを巻き起こしている“Floss or Die”という言葉をご存じでしょうか…? 
 歯周病に関連していわれていることで、直訳すると『清掃か死か』ですが、もう一歩、突っ込んで言うと、『口の中の細菌の数を減らすか、それとも症状を悪化させて死にますか?』という意味です。

 「まさか歯周病で死ぬなんて…」と思われる方も多いかもしれませんが、実はこれには、本当に深刻な問題が秘められているのです。

 歯周病は、歯ぐきや骨が細菌に冒される病気です。自覚症状も少ないままに進行し、気がついたときには、骨が破壊されて歯がグラグラになってしまいます。
 でも、これまではあくまで口の中だけの病気と思われていました。歯科関係者も、「糖尿病や高血圧などの全身疾患をもっている人の場合、どんなふうに歯周病の治療をすればよいか」とは考えていても、その逆を考えることはなかったのです。 
 ところが、歯周病は口の中ばかりではなく、様々な全身疾患にも大きな影響を与えることがアメリカの研究者の手で明らかにされました。
 

UCLA(南カリフォルニア大学)教授のM.G.ニューマン氏らのグループです。
ニューマン教授は、歯周病と全身疾患の密接な関係を指摘し、「歯周炎を放置すれば、全身疾患を進行させ、人間の生命さえも脅かされる」と強く警告しています。 

 それは歯周病の細菌が血液の流れにのって全身へ飛び散り、様々な臓器や器官に侵入するからです。
 歯周病がひどくなると、歯ぐきが炎症を起こし、歯周ポケットという細菌の巣ができます。ここには血管も通じていますから、当然、細菌が全身に入り込みます。

 ニューマン氏らの研究によると、歯周病菌は循環器系、呼吸器系や糖尿病を進行させ、早産などを引き起す可能性が高くなるリスクファクター(危険因子)になると報告しています。
 
 心疾患・心筋梗塞の持病のある人は、心臓発作の発症率が20%リスクアップします。25歳から49歳までの層の場合は70%アップにまで上昇。歯の骨が溶けている重症の歯周病を患っていると、さらにリスクが跳ね上がることが報告されています。

 糖尿病の場合にも、歯周病の細菌が代謝に大きな影響をおよぼし、血糖コントロールが非常に悪くなることが明らかにされています。歯周炎を放置すると糖尿が進行してしまうのです。

  

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