DHstyle 7月
インプラント治療に必要な知識③ ーまとめー
この号でお伝えしたかったことは...
インプラントの治療成果は素晴らしく、一見するとインプラントか天然歯か解らないくらい審美的な治療結果を得る事が出来ます。
先月号では、インプラントと天然歯の共通点を書きました。
今月号は相違点です。
インプラントと天然歯の相違点をしっかりと理解することは、歯科衛生士として、患者説明やメインテナンス、臨床現場のあらゆる場所で役に立てることが出来ます。
しっかりと理解しましょう...!
一見すると、インプラントが骨と結合した後は、その結合はとても丈夫に骨と着いている様に勘違いしてしまいがちです。
インプラントは骨と直接結合いています。歯根膜を介して骨に着いている天然歯とは全く異なります。この事をしっかりと認識してインプラントを考えて行かなくてはならないのです。
インプラントの周囲に歯根膜がないことを今更ながらと考える方も多いと思います。しかし、この事はインプラント治療を考えるにあたり大きなポイントです。
歯根膜の役割は感覚受容器のみの働きではないのです。
「感染」と「力」からの防御機能も持っているのです。ですから歯根膜を持たないインプラントは感染と力に拮抗する閾値が低いと言えます。
さあ...!
今月号もしっかり読んで、「感染」と「力」からインプラントをいかに守るかを考えてみましょう...(^_^)v
7月号のポイント
・インプラントと天然歯の相違点を理解しましょう。
相違点を理解し、わかりやすく説明することができれば、共通点同様患者さんが何に注意すればよいかの理
解につながります。
決定的な相違点は、歯根膜がないことです。
・インプラントと天然歯の周囲組織の相違点について理解しましょう。
結合組織成分
→インプラントより天然歯のほうが、コラーゲンが少なく、線維芽細胞を多く含有している。
コラーゲン線維の走行とプラークに対しての抵抗性とプローブ挿入時の抵抗性
→コラーゲン線維の走行は、天然歯では歯根に対して垂直及び平行、インプラントは平行のみ。
→プラークに対する抵抗性は、インプラントと天然歯を比較すると天然歯のほうが高い。
セメント質の存在と歯槽骨の関係と血液の供給
→インプラントには、天然歯に存在するセメント質がない。
→歯の進化から結合様式を考察すると、インプラントは多生歯性と同様になり、長期間の使用に耐え得る
天然歯の歯根膜による結合様式とは異なる。
・インプラントと天然歯の力学的な比較について理解しましょう。
被圧変異量、感圧能力、咬合の精度、病的変化を起こす咬頭干渉で比較してみると、インプラントのほ
うが天然歯よりも力に対するリスクが高いといえます。
インプラントと天然歯の相違点を理解すれば、何に注意すべきかがみえてくる
インプラントと天然歯の周囲組織の相違点
天然歯はインプラントよりも感染に対する抵抗性が高い
天然歯はインプラントよりも力に対して抵抗性が高い
インプラントのプロービングを臨床的に考察する
「歯根膜とは何か?」を知ることは、インプラントと天然歯の相違点を理解する鍵
メインテナンスの基礎知識は欠かせない時代です!
治療後、天然歯と同じように見えても、歯根膜がないことによる違いを理解し、治療に携わることが大切です!
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